事例紹介

2021/08/16事例紹介

Case4:経営中継ぎのための株式の信託

~孫に任せる前に子どもに中継ぎ経営をさせたい~

認知症になっても自宅を売れるようにしておきたい

祖父の想い

・飲食業を会社形態で営んできたが、体力的な衰えを感じており、また、物忘れが多くなってきたことから、次の世代に店を任せたいと考えている
・店を切り盛りしてくれている孫夫婦に任せたい

孫の心配

・店でお客様のために働くことには慣れてきたが、まだまだ経験不足を感じており、今すぐ会社の社長などになるのは荷が重いと感じている
・できれば、自分の母(長女)に社長をしてもらいつつ、役員として関与することで経営を学ぶ時間が欲しい

信託しないと、こうなるかも

祖父(株主)の認知症の進行により、株式会社の株主総会にて議決権を行使することができず、会社における重要な決定をすることができなくなる
→成年後見人が就いても経営のプロとは限らない

孫夫婦が経営についての経験を積み、会社を継ぐ意思を固めた頃には、株式を孫夫婦に移すことができなくなっているおそれあり
→株式の譲渡をするためには、株主の意思能力が必要である

信託すると、こうなる

祖父(株主)の認知症が進行しても、子(長女)が株式会社の株主総会にて議決権を行使することができ、会社における重要な決定をすることができる
→自社の状況を良く把握している人に経営を委ねることができる

子(長女)に予め信託しておくと、信託契約に定めたとおりの時期に従い、株式を孫へ引き継がせることができる。父の認知症の影響を受けない。
→父の想いを信託契約に表し、子(長女)がそれに従い株式を引き渡す

信託のおおよその内容

信託のおおよその内容

①父と子との間で信託契約を締結する
②信託するのは、自社株式である
③受託者たる子は、株式の株主として、総会の議決権を行使したり、配当金を受け取ったりする
④父は受益権に基づいて配当金を受け取る
⑤孫が社長になる決意を固めたときや、父が死亡したときに、信託を終了させ、自社株式自体を孫に移転させる(孫を次の受益者として、信託を継続させることも可能)

※こちらの事例は、実際に関与した実例をベースに、プライバシーの保護や説明の便宜等のためにアレンジを加えたものです。

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