事例紹介

2021/08/16事例紹介

Case5:詐欺被害防止・凍結防止のための信託

~相続による預金凍結を防いで、必要な資金を引き出せるようにしておきたい~

認知症になっても自宅を売れるようにしておきたい

親の想い

・お金の管理は、夫(父)任せにしてきたため得意でないのに加え、これまでに子どもを装った電話を信じてお金を送ってしまったこともある
・このままでは、より大きな被害に遭わないかと不安
・家族内では、長男にお金の管理を任せているが、それが金融機関に通用するかは分からず、いつ引き出せなくなるか不安だ

子の心配

・一人暮らしをしている母のことを思うと、子どもとしてもお金の管理をしてやりたい
・母には父の遺産が相続されており散逸されるのは子どもとしても困る
・母が亡くなったときには、預金が凍結され、遺産分割が成立しないと引き出せないと聞いた。将来の葬儀費用や病院の入院費用の支払いを考えると、その資金の手当てはどうすればよいか不安だ

信託しないと、こうなるかも

母の認知症の進行により、より大きな詐欺被害や、悪質商法の被害に遭う可能性が大きくなる
被害を後から取り戻すのは実際には難しい
→大きなお金を事前に子ども等の管理下においておくことが必要

母名義の預貯金は遺産分割の対象となる
→遺産分割が長引けば、必要なお金を引き出すことができなくなり、一旦相続人が用立てする必要が出てくる

信託すると、こうなる

大きなお金は信託して子ども名義の預金口座で管理するようになる
→オレオレ詐欺等による被害を受ける危険性を抑えられる

信託されたお金は遺産分割の対象にならない
→母が死亡しても預金口座が凍結されず、信託契約の定めに従い、すぐに引き出すことができる

信託のおおよその内容

信託のおおよその内容

①母と長男との間で信託契約を締結する
②信託するのは、金銭である
③受託者たる長男は、金銭を預金して必要な都度、これを引き出して、母の生活のための支出に充てる
④母は受益権に基づいて受託者から金銭を受け取ることもできる
⑤母の死亡により信託を終了した後は、残りの金銭を子に引き渡す

※こちらの事例は、実際に関与した実例をベースに、プライバシーの保護や説明の便宜等のためにアレンジを加えたものです。

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