事例紹介

2021/08/16事例紹介

Case7:早期贈与のための信託

~資産を早めに息子に贈与したいが、資産管理をさせるには早すぎる。自分がやってやりたい~

早期贈与のための信託

親の想い

・駅前の土地等を所有し、駐車場の賃貸等により収入を得ている
・相続対策を考えて、資産を早めに少しずつ子どもに移していった方がよいとのアドバイスを税理士からもらった
・子どもは、長男一人。しかし、成人したばかりの大学生で、土地を渡したところでそれを自分で管理することは期待できない。駐車場使用者との関係もあるので、しばらくは自分が引き続き管理していきたい

子の心配

・相続税の難しいことはよく分からないが、父が自分のことを心配してくれているようなので、それに応えてあげたい。
・しかし、これから就職する予定で、不動産管理に時間を費やすのは難しい

信託しないと、こうなるかも

不動産自体を贈与すれば、以後長男が不動産オーナーに
→長男に不動産管理の負担を負わせることになる

長男の仕事が落ち着くまでなど待っている間に、有利なタイミングを逃してしまうおそれあり
→資産をもらう側の事情に左右されて、資産承継対策の効果が半減してしまうかも

信託すると、こうなる

不動産の所有権や管理権は手元に残しつつ、財産の経済的価値部分のみを贈与の対象にすることができる
→不動産管理は引き続き自分で行うことができる

受益権自体は権利そのもののため管理は不要
引き受ける側に能力は要求されないから承継のタイミングも影響を受けない
→有利と考えられるタイミングで実行することができる

信託のおおよその内容

信託のおおよその内容

①父が自己信託を行う
②信託財産は、土地(駐車場等)である
③駐車場利用者との関係は、これまでと同じく父が対応する
④長男は、受益権に基づいて駐車場利用料から配当を受け取ることができる
⑤受託者(父)において管理しきれない、又は長男が自分で管理できる状況になったら、信託を終了させ、土地の所有権を長男が引き継ぐ

※こちらの事例は、実際に関与した実例をベースに、プライバシーの保護や説明の便宜等のためにアレンジを加えたものです。

事例紹介一覧へ